ノジロック® ねじ技術資料

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ノジロック®と樹脂塗布ねじの比較試験

NS式高速ねじ振動ゆるみ試験機を用い、サイズM6×45、締付トルク5Nmの同条件でノジロック®と樹脂塗布ねじの振動前後の戻り比較試験を行いました。Y軸方向に曲線がのびるほどトルクが必要となり、X軸方向にのびるほど戻りにくい状態を表しています。

振動条件 振動数: 1780rpm/分間
加振台ストローク: 11mm
インパクトストローク: 19mm
振動方向: 垂直振動(復振動)

ノジロック®と樹脂塗布ねじの戻り比較試験 振動前
ノジロック®と樹脂塗布ねじの戻り比較試験 振動後

ノジロック®と樹脂塗布・小ねじで比較試験を行いました。(1種類につき8本試験を行いました。)

ノジロック®比較振動ゆるみ試験(NS式)結果

○は脱落なし 数字は脱落した時間(SS六角ナットM6 締結トルク5N.m 試験時間1分)

品名\N数 1 2 3 4 5 6 7 8 結果
ノジロック 脱落なし
樹脂塗布加工ねじ
小ねじ 15秒 28秒 20秒 28秒 17秒 23秒 37秒 平均約23秒

トルクアナライザーによる戻しトルク試験データの比較

振動試験前VS振動試験後

ノジロックは振動後に戻しトルクが増える!
品名\N数 振動前(N.m) 振動後(N.m)
ノジロック 2.07 3.13
樹脂塗布加工ねじ 1.32 1.18
小ねじ 1.18 0.58

M1.0~M10まで製作可能

≪注意≫
雄ねじ側ノジロック®に組み合わさる雌ねじには、製作方法(切削タップ・転造タップ・下穴)による相違、使用される相手部材(鉄・ステンレス・アルミ・チタン・ダイキャスト)などの板厚(厚い・薄い・貫通穴・袋状)など有効ねじ山数による相違があります。そのためノジロックの効果を十分発揮させるためにもノジロック®のどのタイプが最適か、より効果を発揮するか、見極める必要があります。

ノジロック®技術資料

特記事項

ノジロック®とは、株式会社 ファスナー技研(野地川社長)の特許製品(日本・米国)であり登録商標された製品である。締結.jpは、ファスナー技研と特許権使用許可契約を取り交してこの製品をファスナー技研に認定された弊社指定工場において製造している。

  1. 1. ノジロック®の緩み防止メカニズムについて……

    ノジロック®の形状における特徴は、おねじフランク面に設けられた段差(返し)にある。段差の締付け回転方向を見ると、ねじ成形時(転造時)に段差を設けることによって押しのけられた素材がおねじフランク面の膨らみとなっている。この膨らみは、ねじ締結時にめねじフランク面を押しのけ、押しのけられためねじ素材が段差(くぼみ)に入り込んでねじの緩み回転を止める働きをすることになる。(ノジロック®フランク面の拡大写真とめねじ条痕の拡大写真を確認のこと)

  2. 2. ノジロック®の品質管理基準について……

    ノジロック®の効果が十分発揮されるためにはおねじフランク面とめねじフランク面が出来るだけ密着した状態で締結されるのが望ましい。しかしながら、あまり密着しすぎると摩擦抵抗が大きくなりすぎて締結不能になる。これを数値管理すると、ノジロック®が想定するめねじ公差は6H(2級)なので、その有効径公差範囲内でのおねじ有効径を選定することになる。例えば、M4ノジロック®の場合、めねじの有効径公差は、3.545~3.663mmなので、ノジロック®の標準タイプ(これをCタイプとする)の有効径(ねじ下径)を3.54mmとしている。めねじが大きくなるに従って3.56mm(CSタイプ)3.58mm(Sタイプ)と有効径を大きくして対応している。逆に、めねじが小さすぎる場合は、3.52mm(CCタイプ)を選定している。(表①参照)
    以上のべた形状管理(有効径管理)の他にも、ノジロック®の効果を発揮するために必要な機械的性質としては、めねじ素材と同等以上の硬さが求められる。硬さが充分であるか否かは、ノジロック®をめねじに数回繰り返し締付け戻しをして、めねじに条痕が確認出来るか否かで判定できる。めねじの方が硬い場合は条痕が出来ないので、使用不可。

    表①【参考資料:めねじ並目(6H)の公差】

    呼び 有効径(mm) 内径(mm)
    最大 最小 最大 最小
    M1.4 1.265 1.205 1.142 1.075
    M2 1.830 1.740 1.679 1.567
    M3 2.775 2.675 2.599 2.459
    M3.5 3.222 3.110 3.010 2.850
    M4 3.663 3.545 3.422 3.242
    M5 4.605 4.480 4.334 4.134
    M6 5.500 5.350 5.153 4.917
    M8 7.348 7.188 6.912 6.647
    M10 9.206 9.026 8.676 8.376
  3. 3. ノジロック®の締付トルクについて……

    ノジロック®の締付トルクはメートル並目ねじの締付トルクに準じて決定されるが、各タイプ(C,CS、Sなど)によって、また、めねじの公差範囲内でのばらつきによって、推奨値は変化する。めねじ公差が中心にある場合、各タイプの推奨締付トルクは、Cタイプでは、メートル並目ねじの5%アップ、CSでは、10%アップ、Sでは15%アップの締付トルクで本来の設定軸力が実現出来る。ただしこれらの推奨値は、挿入部材の限界面圧の範囲内で適用されるべきもので、挿入部材が樹脂など軟らかい場合は、別途計算値によって決定されるか、段付きねじにするかの選択が必要である。

  4. 4. ノジロック®の繰り返し使用限度について……

    上記掲載のトルクデーターは、弊社所有NS式振動試験機による、振動試験(5分後)の戻しトルクと振動試験前の戻しトルクを表している。結果は、10回繰り返しまで、振動試験後の戻しトルクの方が大きい値を示していた。この試験結果は、鋼製ボルト+鋼製ナットの場合のもので、材質が変われば結果も変わってくるので、お客様におかれましては、繰り返し締付け戻しを行って、めねじ条痕が確認される間は使用可能と判断していただけます。

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