ノルトロックXの特徴
ボルト締結の2つの最重要課題は、『振動による回転緩み』と『金属などのなじみやリラクゼーションによる非回転緩み』
回転緩み 【自発的に緩み回転を引き起こします。】 |
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【主な原因】
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非回転緩み 【戻り回転を引き起こさずに、締結力が落ちています。】 |
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【主な原因】
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ノルトロックの実演!
ボルト締結で悩まされてきた様々なシーンを解決!
コンポジット・ポリマー
コンポジット・ポリマー等の材料は、金属よりも柔らかいことでボルトの非回転緩みが生じ、製品の安全性に関わる大きな問題となります。さらに振動や変動荷重が掛かる状況では回転緩みも防止する必要があり、ノルトロック Xシリーズのウェッジロッキグ機能とスプリング効果の技術とスプリング効果の技術がその両方の問題を解決します。
ガスケットの締結
ガスケットの締結部分は締結完了後、初期の段階でリラクゼーションが始まります。このような締結部分では温度変化や材料の柔らかさ、振動によって軸力が低下し、オイル等の漏れの原因になり、状況を悪化させます。ノルトロック Xシリーズはガスケットのリラクゼーションだけでなく、振動等の他の要因にも対応します。
複数材の締結
複数の被締結材を挟んで固定するボルト締結は、非回転緩みのリスクが大きくなります。なじみが発生する箇所が増え、さらに複数の材料の表面でリラクゼーションが発生し、温度の変化や振動によってボルト締結は危険にさらされます。ノルトロック Xシリーズはそんな複数の要因を一度に解決します。
温度変化
ほとんどの材料は高い温度により膨張します。よってボルトも被締結材も、温度が上がったり下がったりするとガスケットのように非回転緩みが発生します。ノルトロック Xシリーズスのプリング効果は温度変化による軸力低下も補うことが可能です。
他にも厚い塗装面、銅やアルミなどの柔らかい金属、短いボルト締結でも活躍します。
ノルトロック Xシリーズの秘密
従来のノルトロック独自の、回転緩みを止めるウェッジロッキング機能。Xシリーズは、回転緩みだけでなく、さらに、スプリング効果を設計に取り入れ、非回転緩みも解決します。
ボルト/ナットを締めつけていくとワッシャーが押しつぶされ、フラット状態になり被締結材に表面が着座します。
ワッシャーの内部のカム角度(α)はボルトピッチの角度(β)より大きく設計されている為、ウェッジロッキング機能によりボルトの戻り回転を許しません。
さらに、ボルトは締結完了後すぐになじみがはじまり、ボルト/ナットは被締結材の表面に沈んだりしますが、ノルトロック Xシリーズのワッシャーはすぐにスプリング効果(Fs)を発揮させ、被締結材の陥没量(△L)を補い、軸力の低下を防ぎます。これらの働きにより、戻り回転と非戻り回転の両方の問題が解決することができます。
※スプリング効果を確実に確保するためにハイグレードボルト
(鉄材:8.8~12.9、ステンレス材:A2-70~A4-80)をご使用ください。
実証データ
振動対策における多数の実証
世界でも最も過酷な振動支援とされているユンカー式振動試験(ドイツ工業規格DIN65151)。この試験はボルトに対して垂直横振幅を継続して与え、ボルトの軸力を測定します。ユンカー式振動試験ではノルトロックワッシャーが安全にボルトを固定していることが確認でき、ノルトロック Xシリーズが一番軸力を高く残しています。また解除の際に軸力があがりウェッジロッキング機能の効果も確認済みです。
非回転緩みと回転緩み対策における照明
下図はグラフは、被締結材としてコンポジット・ポリマーを使用し、異なる数種類の製品によるボルト締結した状況で、ボルト締結の軸力を時間経過で表したテスト結果です。
本テストは、締結完了後のすぐの「なじみ」が始まる時間(本テストでは4時間)と、戻り回転が起こる状況を作り出した時間(30秒間)の2つのパートに分かれています。
ノルトロック Xシリージワッシャーが非回転緩みによる軸力緩みによる軸力低下を防ぎ、また振動による回転緩みを一切許さず、他の製品よりも優れた結果となっています。また、一番高い軸力をキープし、2種類の緩みの原因に対応していることがわかります。多くのボルトの事故原因は図の青い部分以外において起こり、もし、軸力が高すぎるとボルトが塑性域に入ってしまいます。また、軸力を維持できずに低下すると被締結材のパーツは遊離し、ボルト締結の効果は得られません。
このことから、ノルトロックXシリーズだけが最大の安全性の維持が可能であることが証明されます。
サイズ表[鉄材]
型式 | ボルトサイズ | 内径 | 外径 | 厚み |
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NLX6 | M6 | 6.3 | 10.8 | 1.8 |
NLX6sp | M6 | 6.3 | 13.5 | 2.2 |
NLX8 | M8 | 8.4 | 13.5 | 2.2 |
NLX8sp | M8 | 8.4 | 16.6 | 2.3 |
NLX10 | M10 | 10.5 | 16.6 | 3.0 |
NLX10sp | M10 | 10.5 | 21.0 | 3.5 |
NLX12 | M12 | 12.5 | 19.5 | 3.5 |
NLX12sp | M12 | 12.5 | 25.4 | 4.2 |
NLX14 | M14 | 14.6 | 23.0 | 4.1 |
NLX16 | M16 | 16.6 | 25.4 | 4.8 |
NLX16sp | M16 | 16.6 | 30.7 | 4.8 |
NLX20 | M20 | 20.7 | 30.7 | 6.1 |
NLX20sp | M20 | 20.7 | 39.0 | 6.1 |
池田金属工業㈱ ユンカー振動試験結果
実施日:2012 年 12 月 4 日 試験実施者:㈱ノルトロックジャパン 相馬 一虎
試験条件
- 試験の種類
- ユンカー式振動試験 DIN 651 51
- 試験振幅量
- ±0.3mm
- 回転周波数
- 40Hz
- 振動時間
- 30秒
- サイクル数
- 400サイクル
- 使用ボルト
- M8x35(強度 8.8)
- 締結長さ
- 25mm
- 相手母材
- 鉄製プレート HV210
振動試験データ
全ての比較製品を同条件の締結軸力 約 17KN(ボルト降伏点の約 65%)まで締結し 30 秒間振動させました。
取りまとめ
試験結果のグラフでもハッキリ分りますように、ノルトロック オリジナルワッシャー・Xシリーズワッシャー共に締結軸力が 17kN だろうと 12kN だろうと戻り回転を確実に止めることができました。
これはノルトロックのウェッジロッキング機能が働き戻り回転を防止したことによるもので、Xシリーズワッシャーにおきましては更に初期なじみが減少しています。これはXシリーズワッシャーに追加されたスプリング効果が働き初期なじみを抑えたと考えることができます。
その事により、従来対応しにくかった『非回転緩み』にも対応する事ができるようになり、つまり、Xシリーズワッシャーは『回転緩み』と『非回転緩み』を同時に防止できるものであり、この製品だけで解決する事ができるようになります。
『非回転緩み』に対応できるということは、様々な使用用途が広がり、それに関して『回転緩み』・『非回転緩み』どちらかを優先する事はありません。
今後は右図のようなオリジナルワッシャーだけでは対応しきれなかった締結状態においてもご使用いただけることになります。
ノルトロックワッシャーは元々、手間隙を一切かけず緩みに対して最高の安全性を得られるだけではなく、ボルトの破損などのリスクも最小限にとどめる事が可能であり、ボルト締結において理想の締結状態を確保する事が可能です。
更に今回の Xシリーズにより新しい機能が加わり従来のユーザーで対応しきれなかったユーザー様へも対応が可能となります。
また、最高の安全を確立するだけではなく、ノルトロック社にはボルトジョイントに関する様々なサポートをする準備がございます。技術的にはユンカー試験機などによる検証が可能であり、またコスト面ではノルトロックをお使いいただくことで貴社に於きまして非常に大きなトータルコスト削減のご提案が出来ると考えております。